うわさの名古屋メシラノベ「8番目のカフェテリアガール」を読んでみた
しばらく前から名古屋・大須界隈の書店で大プッシュされている、名古屋メシライトノベル。
石原宙の「8番目のカフェテリアガール 東京なごやかプロジェクト」を読んでみた。
あらすじは
名古屋を離れ東京の高校「お茶の木学園」へと進学した兄。
彼を連れ返すべく、追って「お茶の木学園」へとやって来た妹は、
この学校が特異な「学食バトル」の世界であることを知る。
兄の勤める学食喫茶「満天」の仲間に加わった妹は、
他の学生食堂店舗との「学食バトルの嵐」に巻き込まれ…
また、妹自身も「名古屋メシの嵐」に、
周囲を、その破天荒な行動で巻き込んで行くのだった…。
こんな感じ。
作品として、テーマの特異さはもちろんのこと、発想のぶっとび方はなかなか。ハチャメチャものですな。
筆致は、序盤ちょっとヨレヨレするものの、お話が盛り上がる中盤以降、良い感じで筆が走り、さくっと読めた。勢いに乗ると調子が出る作者さんなのかな。
さて気になる名古屋ネタだが、舞台を東京としており、「東京人の見た、ヘンテコ名古屋観」がデフォルメされて盛り込まれている。が、登場する名古屋人もそれを肯定しちゃうキャラ設定である。
名古屋人の感想としては、ヒドい、あんまりだ。
作者さんは名古屋出身とのことなので「おいちょっとまて」感アリアリ。だが、ある意味「東京人の見た、ヘンテコ名古屋観」って、よく消化してみたら、こう書いてみるのもアリかもしれないなあ、とは思った。
ネタは細かい。名古屋らしく喫茶店ネタは「コメダ珈琲店」はもちろん、名古屋2番手の「支留比亜珈琲」、自家焙煎の「コーヒー店かこ」。いつでもモーニングの「喫茶リヨン」や、あーやっぱりね「喫茶マウンテン」までフォローしている。
名古屋ネタ消化が、まだ甘いかなーと思う所はあるけれど、ギャグセンスは悪くない。
”コーヒーを頼むと豆菓子が自動で付いてくる。
= Omame ex māchinā(機械仕掛けのお豆)”
わたしは評価したい。
挿絵は「はたらく魔王様!」で名を上げた029先生。ほよほよぷよぷよです。
僕が秘かに彼女の真骨頂と思ってるイケメン男子描写もいつもどおり。
なんですが、さすがに本作では内容が特濃すぎて目立たないっすなー。
もう少し、もう少し、名古屋メシをおいしそーに書いてほしいなあ、と思う所はあるけれど、今後に期待の一冊であるます。
公式サイト:8番目のカフェテリアガール|スーパーダッシュ文庫
8番目のカフェテリアガール 東京なごやかプロジェクト (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 石原宙,029
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/06/25
- メディア: 文庫
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